2016年にHonda FCでの現役を引退して指導者になり当時のユースの監督には現場の指導を任せてもらいました。
非常に今の自分にとっては貴重な経験をさせていただきました。
まず行ったことは選手たちの意識改革です。
当時は県の4部リーグ所属。
トップチームに1人でも多く活躍できる選手を送り出すということが1番の目的であり目標です。
トップチームが天皇杯でJクラブを倒すという意識と同じように、ユースもJの下部組織を倒すという意識で行いました。
しかし、ほとんどの選手が途中で勉強に切り替えるという決断をして、当時の3年生で最後まで残ったのは14人中5人。
当時の高校生に伝えていることと、今のジュニアユースの選手たちに伝えていることは一緒です。
自分を中心にチームは回っていないということ。
チームの基準に自分が合わせないといけない。
できないではない。
やるか。やらないか。
やるしかない。
そして強い覚悟のある選手たちと高い意識と同じ方向性でトレーニングに取り組んでいきたいということを徹底的に伝えました。
選手たちにははっきりと厳しいこと、事実を伝えました。
中学年代の肩書き、経歴は全く興味がない。
今どのような意識で日々のトレーニングに取り組んでいるのか。
反抗的な態度をとる選手もいました。
しかし、グレーはありません。
goodとbadの基準は明確にしなければ基準はブレてしまいます。
辛抱強く我慢強く投げかけ続けた先に選手たちの意識が少しずつ変化をしていきました。
町クラブの予選を勝ち上がり、勝てば全国大会の代表決定戦。
相手は5部リーグの差があるプレミアリーグのエスパルス。
結果は2-3。
全国には行くことができませんでしたが、選手たちは成功体験を獲得できました。
そして秋のJユースカップ。
町クラブは東海の予選を勝ち上がり、関西のクラブとの代表決定戦を勝つことができれば西日本代表として本戦に出場することができます。
ギリギリの試合をモノにしながら、最後の関西代表とのゲームでは後半ロスタイムに決勝ゴールを決めて本戦出場を決めました。
選手たちが本当に逞しく成長していく過程を目にすることができました。
簡単には成功体験を獲得することはできません。
悔しさを味わって自分を高めてどんな状況であれ自分のベストを尽くすことに集中することです。
Jユースカップの相手はサガン鳥栖。
結果は0-7。
中学生と高校生の差を見せつけられました。
この時に対戦した選手の中には現在、J1や代表で活躍している選手もいます。
ただ、大切なことはこの基準を次にどう活かすことができるか。
当時の選手たちは現在、大学4年生、3年生の年代になります。
この試合の悔しさを忘れずに日々トレーニングに励んでいる選手たちがどれだけいるか。
しょうがないで終わらせてはいけません。
自分自身も高校年代の選手たちを指導してこのような悔しさを味わい、選手たちをもっと成長させる為には何が必要なのか。
そこが昨年、地元の大津町に帰ってきてジュニアユースのクラブを再始動した経緯でもあります。
当時の高校生たちに投げかけたことをその前の年代である中学生たちに落とし込んで、高校年代に送り出す。
そして高校年代、その先の年代で活躍できる人材、選手の育成を目指す。
これがクラブの理念でありビジョンです。
成長に欠かせないのが意識改革です。
意識を変えることには時間がかかる選手もいれば、時間がかからない選手もいます。
才能がサッカーに影響するとしたら1番は意識を変えるスピードだと考えています。
変わろうとする反応スピードだと思います。
変わらない選手はいつまで経っても変わりません。
変わる選手は一瞬で変わります。
まずトレーニングに対する姿勢が違います。
前重心なのか。
それとも後ろ重心なのか。
自分からやろうとしているのか。
それともやらされているのか。
後ろ重心でやらされている選手ほどできない言い訳を探します。
ここでは成長しない。
ここでは上手くならない。
ここでは教えてくれない。
そもそも個人のパーソナルトレーニングではないということです。
非常に大切な中学年代です。
昨日、一昨日と高校総体を見て改めて感じることができました。
グランヴァロールから1人でも多く次の年代、その先の年代で活躍できる人材、選手を送り出していきたいと思います。